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動き回る翻訳者の運命的な(!)出会いを紹介します

70歳かと思ったら90歳!

今週のお題「元気の秘訣」
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セミナー会場そばで撮った青空

アンチエイジングなどというと、美魔女とかモデルとか美容に血道をあげているような人をイメージして、あー私無理と勝手に思い込んでいた。
しかし実は、最近のアンチエイジングはもっと静かに進行していることがわかった。

先日、声に関するセミナーに参加した。比較的年齢層が高く、大半が40代以上で、私は70代ぐらいのご婦人と隣り合わせになった。

セミナーではいくつかワークがあり、席を変わって声を聞くワークで、隣の人が席を立った時に、帽子がころんと転がったので、拾ってあげた。軽くてよく出来ている帽子だなと思った。
次のワークではそのご婦人と二人一組だった。すると彼女は自己紹介し、「わたくし、あと数日で90ですの。」えーっ、70じゃなくて90ですの?このセミナーのざわめきの中で、通らない私の声が普通に聞こえますの?メガネはかけているけれど、目もしっかり見えますの?「わたくし、帽子の作り方を教える仕事をしていまして、ミシンの針の穴がみえるんです」えーっ、私今でも糸通しなしには針に糸が通せませんのに!帽子はもちろんご自分の作品だった。「息子がロックが好きなので、たまに付き合って聞きます」ロックですか…。

「母の耳が遠くなってきたんですが、どうやって聴力を維持されているんですか?」と聞いたら、「耳を引っぱるといいですよ。今流行ってますので、お調べになったら。」健康雑誌を購読しておられるらしい。
セミナーの合間の短い時間で大した話は聞いていないけれど、「なんか特別なことをされている」というより、体にいいことに気を付けて、好奇心を持ち新しいことにアンテナを張り、「現役をキープしておられる」というところがポイントかなと勝手に推察した。

セミナー自体の内容もよかったが、このような方と出会えて本当によかった、感動した。正直、私は無気力と言うのか、「今、楽しいし~」「そんなに、長生きしたいっていう気持ちもないし~」、まだ先だけど、夫が定年したらしばらく一緒に旅行したりして遊んで、娘の子育てを手伝ったら、もう人生終わってもいいなーと思っていた。なんせ、実父が48で亡くなってるので、今すらもう十分なのだ。

しかし、この方に出会って、こんな90歳になれるのならいいなあと思った。90歳まで望まなくても80代でもいいですな。まあ、60代で40代みたいなエステティシャン、70代で私よりもずっと冴えている市民活動家など、年上の先輩のお友達がいて、そういう方に出会う度に感銘を受けているが、90歳は初めて。特徴はギラギラ若いわけではなく、その人の普通そのまんまで年を重ねている感じがするところ。全く理想だ。

その夜に、さらに畳みかけるような出来事があった。先輩のフラメンコの舞台に誘われて見にいった。長く続けておられる先輩はもうセミプロの域で、その日の演目も私だったら30代でも踊れないような激しいリズムのダンスだ。本当に「さすが」の円熟感あるキレッキレのパフォーマンスだった。
そして、それを見に来られた別の先輩にお会いして、またびっくり。60代で、もともと美人だが、以前お会いした時より格段に若返っていて「女子」と呼んでもいい域に達するほど逆行していた。もう、本当に年齢というものがますますもって、よくわからなくなってきた。

ま、こういう方にまめでない人はいないのであって、私はズボラだが少しでもまめになろうと思った。